安倍政権に対抗するため野党勢力の結集を目指す民主党が、維新の党の取り込みに本腰を入れ始めた。国会での共闘態勢強化を当面の課題としており、維新との幹事長・国対委員長会談を25日に開き、安全保障関連法案の徹底審議を求めていくことなどで共同歩調を確認したい考え。来年夏の参院選をにらみ、合流も視野に入れている。
両党の幹事長・国対委員長会談は3月6日以来で、民主党が呼び掛けた。同党の枝野幸男幹事長は24日、さいたま市内で記者団に「野党間でできる最大限の連携、協力をしていきましょう、ということだ」と意欲を示した。
会談では、安保法案や労働者派遣法改正案への対応を協議。民主党は会談の定例化や、岡田克也代表と維新の松野頼久代表による党首会談の開催も調整したい意向だ。両党は26日には政調会長会談も予定しており、武力攻撃に至らないグレーゾーン事態に対処する 「領域警備法案」の共同提出について意見を交わす。
民主党が維新への接近に前のめりなのは、先の「大阪都構想」否決を受け、政権と近い維新の橋下徹最高顧問(大阪市長)が引退を表明、松野氏ら民主党との連携に前向きな勢力が主導権を握ったためだ。維新幹部は「新体制発足直後なのに、民主党からのラブコールがす ごい」と明かす。
岡田氏は22日の記者会見で、「(共闘の)実績を積み重ねる中で、理念や政策が一致する仲間がいれば一緒にやっていくこともあるかもしれない」と、将来的な合流に期待を表明。松野氏も23日の民放番組で「野党がまとまれば、次の(衆院)選挙で政権交代の可能性が十分出てくる」と応えた。岡田氏周辺からは「最初は統一会派を組み、場合によっては 両党を解党して新党を立ち上げてもいい」との声も上がる。
ただ、維新側では、橋下氏に近い大阪系議員を中心に民主党にのみ込まれるとの警戒感が強い。25日の会談について、大阪系幹部からは「野党第1党と第2党がコミュニケーションを取るだけだ」と冷めた声も上がっている。
ソース
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2015052400067