政府は21日、韓国が東京電力福島第1原発事故後、日本からの水産物輸入を規制している問題で、韓国の措置は世界貿易機関(WTO)協定に違反するとして、WTOの紛争解決手続きに基づく2国間協議を同日要請したと発表した。日本が農林水産物でWTOに提訴するのは初めて。日程は今後調整するが、60日以内に2国間協議で解決しない場合、小委員会での紛争処理手続きに入る。
林芳正農林水産相は「これまでと同様のやり方では韓国が早期に規制を撤廃する可能性は低いと判断した。WTOを活用しつつ働き掛けを一層強化し、規制撤廃を実現したい」とコメントした。 韓国は日本からの水産物について、原発事故後、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、 群馬、千葉の8県の一部品目の輸入を禁止したが、2013年9月以降は8県の全ての水産 物の輸入を禁止。さらに放射性物質検査も追加要求するなど規制を強化した。日本はこれらの措置を「科学的原則に基づく義務や不当な差別の禁止」を定めたWTO協定に違反すると主張している。
ソース
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2015052100776