小売業界で、「オムニチャネル」が新たな合言葉となっている。「あらゆる販売経路」といった意味で、店舗での販売とインターネットの通信販売を組み合わせ、消費者がいつでもどこでも欲しい商品を買えるようにする取り組みを指す。小売り大手は国内事業の成長のカギとみて、通販会社に接近している。 百貨店の大丸、松坂屋を傘下に持つJ・フロントリテイリングは、通販事業「ベルメゾン」を運営する千趣会に出資する。Jフロントの山本良一社長は「マルチリテーラー(複合小売り事業者)として生きるには、事業の幅を広げるのが大前提だ」と話す。
両社は4月28日、大阪市の千趣会本社で業務提携推進委員会の初会合を開催。千趣会は 「オリジナル商品が多く、開発力が魅力」(百貨店関係者)と言われ、商品の共同開発やネット通販の強化などが期待される。
ただ、店舗とネット通販を融合させ、相乗効果を生み出すのは簡単ではない。セブン&アイグループに入った通販大手ニッセンホールディングスの2014年12月期決算は、営業損益が66億円の赤字。セブン−イレブンの店頭にニッセンのカタログを置くなど協力を深めるが、低迷に歯止めがかからない。
ソース
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2015050400136