[シンガポール 18日 ロイター] - 世界的な原油の過剰供給を受けて
中国が戦略備蓄の積み増しを一時的に停止する見通しとなっており
春の設備改修・修繕シーズンを前にアジアの石油精製会社が原油輸入を抑制することから
原油は一段と下落圧力が強まりそうだ。
昨年8月以降、戦略石油備蓄(SPR)を満たすための中国の原油輸入は
アジアの需要を押し上げる主要な原動力の1つだった。
景気減速にもかかわらず、中国が備蓄の補給を進めていたためだ。
しかし、中国では間もなく備蓄容量が上限に達する見通しで
新たな受け入れ余地が再び発生するのは年後半になることから
備蓄用原油の輸入を一時的に停止する可能性がある。
中国のSPRについてはほとんど知られていない。
中国政府がデータを公表するのはまれだが、90日分の輸入に相当する6億バレル程度の備蓄を計画している。
多くの推計によれば、現在のSPRの在庫は30─40日分相当とみられる。
ロイターのデータによると、アジア全体の原油輸入は昨年12月にピークを付けた以降に5%減少している。
同月に中国の輸入量は過去最高となる日量720万バレルに達していた。
インドでは直近1カ月の輸入が前年同月に比べて20%減少し、日本は11%減っている。
春の設備修繕シーズンが近いことが主な理由だ。
コンサルタント会社のPIRAエナジーは調査ノートの中で
「アジア太平洋地域は依然として原油の過剰供給が続いており
在庫の増加を受けて4月か5月に圧力はピークに達する」と指摘した。
米国の原油在庫は現在、中国の輸入量の2カ月分に相当する4億5000万バレル近くに達しており
80年超ぶりの高水準となっている。
以下ソース
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPKBN0MF06O20150319