ボタンを押したり振るだけで柄が変わる
――電子ペーパーを使ったそんな腕時計「FESWatch」が昨年クラウドファンディングサービス
「Makuake」に登場し、多くの人々の話題をさらった。
製品自体の魅力もあるが、それだけではない。
開発元である「FashionEntertainments」が、実はソニー社内の新規事業プロジェクトだったからだ。
なぜ社名を出すことなく新製品を開発したのか。
また、ソニーが社内ベンチャーともいえる新チームを立ち上げた狙いとは――
プロジェクトリーダーを務めるソニーの杉上雄紀さんに開発の背景を聞いた。
社外のベンチャー企業を見ていて「悔しかった」
FESWatchの企画が生まれたのは2012年のこと。
きっかけは、当時テレビ関係の事業部に所属していた杉上さんが訪れた「東京ゲームショー」だったという。
「数十年前はアナログだったゲームはいまやすっかりデジタル化し
東京ゲームショーで多くの人々を熱狂させている
一方、ファッション業界にも同じくらいの熱量があるものの、デジタルの要素はない」
――デジタルとファッションを組み合わせれば今までにない変化を起こせるのではないか。
そんなアイデアが芽生えたという。