近年、加速度的に“リアルチャイナタウン化”が進む東京・池袋は
2000年代前半以降、不良中国人集団、通称「東北グループ」の巣窟といわれてきた。
都内某署の組織犯罪対策課の刑事も言う。
「たしかに東北系の不良が跋扈しているのは事実だが、いまいち実態がつかみにくい。
メンバーは固定しないし、真面目な留学生の顔と
凶暴な不良の顔、両方持っているような輩が多いもんだから」
ここでいう“東北”とは、中国東北部(旧満州)の3省(遼寧・吉林・黒竜江)を差す。
つまり、東北グループとはこの3省出身者を中心とする不良集団のことだ。
東北グループの素性を示す象徴的な事件が
違法エステ、ぼったくりバーの経営から、中国系の飲食店からの「みかじめ料」徴収
覚せい剤や危険ドラッグの販売、盗品売買、恐喝、詐欺まで、彼らのシノギは多方面に及ぶ。
日本のヤクザが暴対法や暴排条例などによってがんじがらめとなり
年々困窮していくのとは対照的に、彼らの存在感は日増しに増大しているという。
K会系組織の若手幹部が語る。
「非合法なシノギはどんどん中国系に奪われてる。
もちろん、形式的には奴らから上前をハネてたりするわけだけど
明らかに儲かっているのは奴らのほう。このままじゃ、食われちまっても不思議じゃない。
上の人間にそれを言うと、“ガイジンにそんなことさせねぇ”って怒られるが
年寄りたちは現実を見てないよね」
ここで一つ、過去に起きたある事件を振り返ってみたい。
そこから、東北グループの成り立ちの一端、どのような集団なのかといったことが垣間見えてくるだろう。