カリッ、ムシャ、ムシャリ、うーん、甘い中にほんのり苦味があり、微かな辛みも感じられて実に……おっほん!どこまで話しましたかな?
いや、まだこれからでしたか。ふむ、立ち話もなんですし、喉も乾いた。どうです、これから私の城に参りませんか?
なに、あなたの足ならば5分とかかりません。私は肩にでも乗せていただければ。む、気味が悪いとおっしゃる。なに、ご心配には及びません、私、日に三度は風呂に入り、オー・ド・トワレを欠かさない、不潔や悪臭とは無縁な蜥蜴です。
では失礼して……よいしょっ、と、ふう、なるほど高い。ホホ、これは良い眺めだ。ではあちらの大きな樹の回りを右に三週、それから足元の石を……