その日の夕方 仙台新港の駐車場に板を積んだトラックを滑り込ませた
北側のコンテナヤードのあかりで結構波も見える
駐車場は２０時には施錠されてしまうのであまり長くは入れない
遅くまで入っていたサーファー達も次々に上がって来る
最後の１人が車で出て行った後にそそくさと着替えを済ませ入水
誰もいない真っ黒な海面にゆっくりと板を滑らせる
「ウヒャーこの波全部俺のものｗｗｗ」
サイズはだいぶ落ちて腰程度だったが
誰にも遠慮する事なく次々と波が取れるのは本当に楽しい
「仙台の現場は夜勤が無いから毎日入れるよなぁもう最高」
ニヤニヤしながら帰りにラーメンを食って宿舎に帰った
それからと言うもの毎晩のように新港に通った
２０時に締め出されて物足りない時や次の日が休日の時は
北上して七ヶ浜というポイントまで遠征してまで入っていた
そんな波乗り三昧な生活を始めて１月くらい
海から上がって車に乗った所までは覚えていたのだが
それからの記憶が飛んでいて気がついたら宿舎近くの墓地にいた
「アレなんでワシこんな所におるん？」
とりあえず宿舎に帰ったがその夜の事・・・
夢の中で３歳から１０歳くらいの子供が３０人くらい駆け寄って来て
「おじちゃんお家帰ろうよ」「おじちゃんお家連れてってよ」
口々に叫ぶ子供達 なんだこいつらｗｗｗ
「どしたの君たち」
「おうち帰りたいの」「帰ろうよう」「お母さんが待ってるの」
「なんだよ自分で帰れよｗｗｗ」
「送ってってよ」「大人なのにけちだなあ」「お願いおじちゃん」
「しょうがないなぁ 分かったよ」
ここで目が覚めた・・・
それから夢の中の子供と行方不明の子供の特徴が
一致したとかならよくある話なのだが
別に調べもしなかったし何故か嫌な感じが微塵もしなかったので
あまり気にしてはいなかった
その１週間後にどこだか未だに思い出せないのだが夜サーフィンの帰りに
仙台市内から少し南の方の仮設住宅の駐車場で我に返った事くらいで
特に変わった事は無かった
その後も夜サーフィンは続けたが夢１回と徘徊２回以外は特に変わった事も無く
去年８月に現場は終了 次の赴任地小金井に転勤になった
だがまだ迷子の子供がいるらしい
ご存知の通り俺は連休明けに再び仙台に転勤になる
夜乗りに都合のいい初夏に呼んでくれるとはヤツら子供の割りに気が利くなぁ
と思いつつ引っ越しの準備をする俺なのであった
～～終わり～～
>>69
笹子の黒い３人組に比べたら新港の子供らなんか・・・
つかあの子供らは別もんだと思う
俺を引きずり込んだら帰れなくなるしまあ大丈夫でしょ
>>71
そうそう１回目の墓地は葛岡霊園とか言う大きい公園墓地だし
２回目は仮設住宅だからみんな家族のとこ行ったんじゃないかな
実はコレ膨らませてSSにしたのあるんだけど見る人によっては不謹慎なんで控えとる
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