ガキ「……ねぇなつみちゃん」
なつみちゃん「どうしたの?」
ガキ「……今日はありがとう。俺、あのままだったらサキュバスに殺されてたかもしれない」
なつみちゃん「いえ、いいの。ガキは私の唯一の友達だもん」
ガキ「……そっか」
なつみちゃん「さ、明日こそカフェの手伝いするんだから。はやく寝ましょ」
ガキ「……うん」
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ガキの夢
嫌な予感はしてた
俺の夢にまたあいつが現れるのでは、と……
ガキ「……案の定かよ」
咲子「ふふ、ごめんなさいね。一度でも私のカケラを残した子の夢には、いつでも現れることができるの。でも変ねぇ、世界に綻びが……」
グラグラグラ
なつみちゃん「えっちょっと!まずいんじゃなの……?」
ガキ「いや、俺にとっては好都合だよ。親父のことを知れるいい機会だ」
咲子「あら強気なのね。また誰かに起こしてもらうつもりなの?」
ガキ「まぁな。幸い俺にはなつみちゃんがいるからな」
なつみちゃん「……」
咲子「あらあら、厄介ったらないわぁ。本当に面倒。でもなんででしょうね、あなたの精気が欲しくてたまらない」
ガキ「そりゃきっと、俺が乳男の息子だからだ」
咲子「……」
咲子「……へぇ」
咲子「……なるほど。なるほどそういうことだったの」
ガキ「親父の話を聞かせろ」
咲子「……親父親父って、お母さんはいいの?まぁ殺したのは私なんだけど」
ガキ「別に。顔も覚えていないような母親の話に興味はない」
咲子「ふーん……」
グラグラグラ
ガキ「もう一度だけ言うぞ。親父の話を聞かせろ」
咲子「……そうねぇ」
咲子「でも私が話す必要はないと思うわ」
ガキ「ふざけんなよ……殺すぞ」
咲子「プークスクス!無理よ無理無理。あなたは私の獲物だし、それにそういう意味じゃなくてね」
ガキ「……」
咲子「乳男には」
もうすぐ会えるんじゃないかしら?
ガキ「……」
なつみちゃん「えっ……どういうこと……?」
???「はぁはぁ……」
ガキ「!?」
咲子「あら遅かったのねぇ。お邪魔虫さん」
なつみちゃん「あれは……」
咲子「あなたの父親よ?」
ガキ「……」
乳男「殺してやる……今こそお前を殺してやるッ!」バシュンッ
咲子「ちょっと、危ないじゃない」
乳男「ウラアアアアアアアアッ!」
咲子「はぁ……何度言えばわかるのよ。あなた程度じゃ……」
咲子「私には勝てない……!」バキッ
乳男「ガバッ!!」
なつみちゃん「っ……」
ガキ「……」
咲子「見ての通りよ。あなたの父親はとっくに頭のネジが外れて歯車が回ってない状態」
咲子「それもそうよね。私を殺すために10年近くかしら?追いかけては返り討ちにあって来たんだもの」
ガキ「……」
乳男「アアアアアアアアァァァ!!」
咲子「しつこいッ!もうてめーに興味なんかねーんだよッ!」バキッ
乳男「アグッ……!」ドタッ
咲子「私のカケラを見つける嗅覚だけは一級品なんだけど……」
咲子「所詮、移植された程度の低級夢魔じゃ、純粋な血統を持つ私の力には及ばないのよ」
ガキ「移植……」
グラグラグラ
咲子「それにしても……不安定だわ。今朝はもっと……」
なつみちゃん「乳男さん!あなたの息子はここにいる……!お願い、正気に戻って……!」
乳男「ウウア……」