マスター「……もうこの店には来るなと言ったじゃろ」
ガキ「うるせークソジジイ!俺だってなつみちゃんとのデートほったらかして来てんだ!感謝しろハゲ」
マスター「はぁ……」
ガキ「ほら、さっさと出せよ。わかってんだろ?俺がここに来たら『ブツ』を求めてるってことなんだよ」
マスター「……」
マスター「……ちょっと待っとれ」
ガキ「ったく言われなきゃわかんねーもんなー。最近の年寄りは鈍くていけねーや」
マスター「……ほれ」
ガキ「おっほおおおおこれだよこ……」
マスター「なんじゃ」
ガキ「……あんなぁジジイ。この袋の色、よく見てみ」
マスター「なんじゃよ。紫色じゃが」
ガキ「俺はソーダ味がいいっていっつも言ってんじゃあああああああんッ!なんでわかんないかな!?これ巨峰!これ巨峰味なんですけど!!」
マスター「知らんがなそんなこと」
ガキ「知らんがなじゃねーんだよ。いいか?ガリガリ君ってのはな、ソーダ味以外認められちゃいけねーんだよ」
ガキ「ガリガリ君の筆箱が売ってるのは知ってるな?その色は青色だけだ。真のガリガニストってのはな、ソーダ味しか受け入れねーんだよこのボンクラッ!」
マスター「……とにかく。求めてる『モノ』はやった。はやく帰ってくれ」
ガキ「けっ……。まぁいいもらってやるよ。じゃあな、また来るぜぇ……イヒヒヒヒ」
ドアバタン
マスター「……どうしてうちの店に来るんじゃ……」
マスター「はぁ……」
カランカランッ
マスター「あ、あぁいらっしゃい。どうぞお好きな場所に」