計算づくで、正気のうちに無類の悪行をする女に俺は耐えられない。
夫の運命を引き受けて身代わりに死ぬアルケースティスの悲劇を、
女たちは観劇している。
なのに仮に似たような(運命の)交換が許されれば、
夫の死をもって雌の子犬の命を守りたがるだろう。
朝、数多くのベーリスたちやエリピューレーたちのような悪女がお前に出くわすことになる。
クリュテームネーストラのいない道はあるまい。
大事なのは、かのテュンダリスは両の手で
ぶきっちょな馬鹿げた戦斧を抱えていたけれども、
今では毒ガエルの小さな肺で事がすまされるということだ。
しかしそれでもポントゥス州の、三敗王の発明した解毒剤を
注意深いアトリーデースが飲んでいたら、剣が用いられることもある。
終わり