しかしエッピアの恋心を燃え上がらせたのはどんな容姿なのか?
どんな若さに魅了されたのか?
何を見たから、剣闘士の女と呼ばれることに耐えたのか?
というのも、セルギオルスはすでにあごひげを剃りはじめていて、
上腕を斬られたことで解雇されそうになりはじめていた。
そのうえ、顔には兜で擦れたかのような醜い傷がたくさんあり、
鼻の真ん中には異様なこぶがあり、
片目はいつも酸っぱい膿を滴らせていた。
でもその男は剣闘士だった。このことがそれらをしてサファイアたらしめるのだ。
この女はこのことを子供より祖国より、妹より夫より好んだ。
女たちが愛するのは剣だ。
このセルギウスがもし剣闘士を勇退していたら、
夫のウェイエントゥスと同じに見られはじめていたことだろう。
私人の家人が、エッピアが、何をしようが気にすることか、だと?
神々と並ぶ皇帝たちを考えろ。クラウディウスが何に耐えたか聞け。