どんな幸運が訪れるんですか?
どんな幸運が訪れるんですか?
「4時に窓からちんこを出したら幸運が訪れる」
俺は灰色の街をとりとめもなく練り歩いている最中にそんな噂を耳にした
最初は気にも止めなかったのだが
何気なく入ったカフェでも同じ噂が聞こえてきたとなると、これは偶然ではないような気がする
俺は早速次の日の早朝に家を飛び出した
もろちん窓から出されたちんこを見つけ、噂を確認するためである
と、向かいの家の窓からちんこが見えるではないか
いとも簡単に見つかり俺は拍子抜けした
ちんこしか見えぬがおそらくおっさんのちんこだろう
向かいのおっさんには幸運が訪れたのだろうか
が、俺はここである事実を思い出す
向かいの家は空き家であるはずなのだ
昨日も人の気配などしなかった
だが俺の少し恐怖と触れてはいけないという直感は、好奇心に押しつぶされて消えてしまった
気がついた時には俺は向かいの家のインターホンを押した後だった
しかし何度押しても反応がない
窓を確認するとおっさんはもういない
とすると、ちんこを出し終わって部屋に戻っているはすなのだが
じれったくなり俺は玄関のドアを押した
鍵は掛かっていなかった
「ごめんください!」と俺は3回ほど大声を出したが反応はない
いけないことだとはわかりつつも、俺はおっさんがちんこを出していた2階へと足を進めた
(ご近所さんだし、見つかったら事情を説明すれば良いさ)(そもそも公然猥褻をしている輩に俺を咎める資格なんてないはずだ)
と、俺は自分自身に言い聞かせながら2階まで昇りきり、窓があるであろう部屋のドアを開けた
…誰もいない、何もない
俺は急にアホらしくなって引き返そうとした
しかしさっきまであったはずのドアがない
俺は急に怖くなったが、仕方がないので部屋の中に何かないか探した
するとメモ用紙がある
そのメモ用紙を見て俺はすべてを悟ったのだ、俺はこれからはおっさんの変わりにちんこを出し続けなければならないのだと…いつか俺の代わりがくるまで
そしてこの部屋の世界では時間という概念はなく、いや明日の次に昨日が来ると行った具合に時間の流れが無茶苦茶になっているのだ
おっさんはちんこを連続0721回出し終えて外界と接する日に、今回の俺のような「代わりの生贄」が部屋に侵入してくるまでずっとちんこを出し続けていた
もちろんその0721回に一度の機会に侵入者が運良く現れるなどという都合の良いことがそう簡単に起こり得るはずがない
だからおっさんは体感では何十何百年と出し続けていたのだろう
その間に外界ではどれぐらいの時間が流れることになるのかは俺はわからない
ただ今の俺にできることは忘れずにちんこを出すことと
次なる生贄のために、ちんこを出し忘れると全てリセットされ1からやり直しとなること、ちんこを出すときにフル勃起をして出す方が、誰かに気がついてもらえて何らかの噂になり侵入者が現れやすいことなどを書き記すことぐらいだ
だが俺は幸福なのかもしれない
ここでは物欲や執着や劣等感といった負の感情はなくなり安らかな気持ちになれる
豊かさは節度の中にのみあるのだろう
いや幸福な現象など本当は存在せず、ただ事象の善良的な解釈があるのみにすぎぬのかもしれぬ
何にせよ俺は今日もちんこを出す
これだけは外界から見えるのだろう
外界との唯一の接点
俺の存在理由
誰かが俺のちんこを見てありがたいと思ってくれるのならやはりそれは幸福なことなのだろうか
くっそ長い 100点
ちんこまで読んだ
イイハナシダナー