それは病気ではなかった。
ペニスが皮を被っていることを包茎といい、皮は剥けていくのが普通らしい。
僕が穴だと思っていたものは、剥けている過程の皮によるものだった。
そんなことは保健体育で習っていない。
強い憤りを感じた。
僕はこのことで何年も悩んでいたのに、男性全てに起きる現象を、学校は説明しなかったのだ。
すぐにお風呂に入り、僕は皮を剥き始めた。
皮の中に、白くて硬いしこりのようなものがある。
これ以上剥けない。
無理やり引っ張れば、皮が破れてしまいそうだ。
僕は、水と石鹸を使って滑りを良くしながら、ゆっくり皮を剥いていった。
しこりの部分が見えてくる。
亀頭の一部が、黄ばんだ白色になっていて、固くなっていることが分かった。
それを見て、僕はこう思った。
ああ、オナニーをしすぎて、ベニスが腐ってしまったのだ。
そんな絶望感の中、シャワーで亀頭に水を当てていると、黄ばんだ塊がポロッと落ちた。
それは精子や尿が固形化したものだった。
これが汚れだと分かった僕は、亀頭とカリの部分をしっかりと洗った。
きれいになったペニスを見て、安心した。
しかし、亀頭にシャワーが当たると、とんでもなく痛い。
手でそっと触れてみたが、痛くてオナニーどころじゃない。
まるで皮膚を剥いてその下を直に触っているようだ。
でもインターネットには、皮を剥いた状態で女性器に挿入すると書いてある。
それから毎日亀頭を手で優しく撫でて、刺激に慣れさせた。
大学3年生になったとき、やっと痛みを感じなくなった。