ここ数日SS書くのにハマってるからなんか書く #4

4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2020/08/28(金) 21:02:52.30 ID:fH/KnCMo

憂鬱だ。
せっかくの連休だというのに天気は曇ってばかり。
そのせいで蒸し暑くて堪らない。
特に今日は酷い空模様で、これから大雨が降る予報になっている。
窓から覗く大きな積乱雲。その存在が予報を確信に変えていく。
積乱雲は入道雲とも呼ばれる朝顔状の巨大な雲で、雨や雷を起こす場合が多く、激しい場合には数十分で数十mmもの雨をもたらすらしい。
そんな物騒なものが私の家に向かってきている。
どうにかして逸れてくれないものか。
そんな都合のよい私の思いは当然叶うはずもなく、いよいよ私の家に訪れてきた。
とてつもなく強い雨音がする。それは想像したよりも厳しいものだった。
窓を眺めてみると恐ろしいほどの水しぶきが叩きつけられていて、今にも壊れてしまいそうだ。
そうやって怯える私に対して追い打ちとばかりに鳴り響く大きな雷の音。
雷の音は昔からどうにも苦手で、少し耳に入るだけでも体がこわばってしまう。
そんな私の都合は気にも留めず、雷は容赦なく鳴り響く。
じっとして、積乱雲からもたらされる雷雨の音をひたすらに耐える私。
積乱雲は長くても数十分程度で消えるはずだ。
だから我慢するのはもう少しだけ。

――そうしているうちに雷の音は聞こえなくなって、雨音も小さくなっていく。
すっかり怖い音がなくなってから、雨が止んだことを確認するために窓を見る。
窓は降り注いだ雨粒で酷い有様だったが、新しく水滴がつく様子はない。
どうやら積乱雲は消え去ったようだ。
窓からは水滴の合間を縫って光が射し込んでいる。
何日も曇ってばかりでまともに陽の光を浴びていなかった体はその感覚を求めていて。
私はその欲求を解消するために勢いよく窓を開け、ベランダに飛び出す。
先ほどまでとは対照的に雲一つない、気持ちのいい空模様。
思いっきり空気を吸い込んで吐き出す。
そうやって爽やかな気分を迎えた私の目に入ってきたのは7色に輝く大きな虹だった。
その光景は落ち込んでいた私の気分を大いに盛り上げてくれた。
こんなに素晴らしいものを見ることができるのなら、一生懸命に耐えた甲斐もあったものだ。
私はそう思うと共に、綺麗な虹を目にやきつけた。

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