【解説】
昔、男は船乗りをしていた。
とある日、船が嵐に巻き込まれ、
数人の仲間と救命ボートで無人島で漂流したことがある。
食料も無くなっていき、衰弱していく男と仲間。
やがて、1人ずつ亡くなっていった。
他の人は、生き延びるために亡くなった仲間を食べ始めるが、
男だけは、頑なに拒否をした。
それを見かねた仲間の1人が、
「ウミガメのスープだから」
と偽って、男にスープを食べさせて生き延びた。
しかし、レストランで本物のウミガメのスープを食べて、
あの時に食べたものは、亡くなった仲間だったと気付いてしまった。
男は苦悩した挙句、
夜、崖から身を投げてしまった。
船乗りの男は、自分が生き延びるために、
仲間を、人を食すということ・・・それが、許せなかった。