不気味な体験を書くスレ #1

1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2019/11/11(月) 13:25:07.22 ID:zcQIPZHb

不気味な体験を書いてこう
オカ板に書くほどでも無い なんか不気味だった体験を書いてってくれ 創作も有り

「壁のシミ」
駄菓子や日用品を買いに行っていた近所の商店の横に、2階建てで1フロア4部屋ずつあるテナントビルがあった。
一階部分が喫茶店やコインランドリー等のテナントで、二階部分が住居スペースのようだったが、俺が物心ついた頃には店はすべて閉まっていたし、二階の窓から見える障子もビリビリに破けているような廃墟だった。

当時小学生だった俺は、その古ぼけたビルがとてつもなく不気味に見えていた。
燻んだガラスドアの先に見える壊れた喫茶店の道具や、見たこともない昔のジュースが並んでいる錆びついた自販機など、そこにかつて人が居たという気配というか、残り香というか、そんなものが不気味に感じて仕方が無かったのだ。


ある日、夕食の準備をしている母親に頼まれて、姉と一緒に商店までバターを買いに行った。
その帰り、姉は廃墟を指差して「ねぇ、あの壁のシミ、人の横顔に見えない?」と言った。

指を刺した二階の左端の壁には、確かにシミがあって、何処と無く髪の長い女性の顔に見えた。
元々その廃墟に不気味さを感じていた事もあり、俺はそのシミが怖くて怖くてたまらなくなってしまい、半べそをかきかながら家に帰った。夜も怖くて眠れず、父親に「早く寝ろ」とどやされたのをよく覚えている。

それから一週間ほど後のことだ。
友達と商店の前にあるガチャガチャをしに行った。おつかいの日以来、怖くてその廃墟には近づいていなかったのだが、友達がガチャガチャで当てたというトランシーバーの玩具がどうしても欲しくなってしまったのだ。
その時は昼間だったし、友達が一緒にいたので「まぁ、そんなに怖く無いだろうな」と思っていた。

しかし、商店が近づくにつれ、あのシミの顔が脳裏に浮かんできてしまい、段々と恐怖心が膨れ上がっていった。
怖さを紛らわせるため、俺はふざけた感じで友達にシミの話をしようとした。
ホラー映画の「シャイニング」もネタにしてしまえば怖くない様に、友達にふざけて話せば怖くなくなると思っていた。

しかし、「なぁなぁ! あそこの壁の……」と話を始めた俺が指差した先にはシミはなく、ただ薄汚れた壁があるだけだった。
掃除された様子も壁を塗り替えられた様子もない。ただシミだけが無くなっていた。

何がなんだか分からないまま家に帰った俺は、姉と母親に今日の事を、あの日の事を話した。
しかし、姉も母親も「シミ? なんのこと?」と怪訝そうな顔するばかりだ。
バターを買いに行ったのも、俺が泣いて帰ってきたのも、夜眠れずに親父にどやされたのも覚えているが、シミの話なんて聞いてないし、話をした覚えもないと言う。
それどころか、おつかい自体も姉と二人でなく、俺一人で行ったと言うのだ。
俺の記憶ははっきりしてるのに、姉とも母親とも違う記憶がある。訳が分からない。

何か違う世界に迷い込んでしまったような感覚が怖くて、また泣いてしまったのを覚えている。

今思えば、子供が夢と現実を混同してしまっただけなのだろうと思う。
でも、今でも鮮明に思い出せるあのシミの顔、帰ってきた時に泣いていた理由、怯えて寝れなかった理由は何なのか。
気になって仕方がない。



以上。
ちなみの気になってGoogleストリートビューで見てたら全く同じ場所にシミがあってびびったわ
俺の覚えてる横顔に見えるシミじゃあないけど
https://i.imgur.com/GC5uQBE.jpg

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