【文芸】<まちの本屋>がどんどん潰れていく2つの理由...1990年代末に2万3000店ほど存在した書店は、2018年で1万2000店ほどにまで減少
■「売れる本」を発注できない小型書店
木村書店をひいきにする顧客がいたとしても、求めている話題作が購入できなければ話は別だろう。毎回、話題作や人気作が手に入らないとなれば、顧客流出につながりかねない。
「せめて地方の書店に対して、予約部数くらいは確保してほしい。大型書店で山のように積まれている話題作を見ると悲しくなる」と田中社長が話すように、どれだけ小さな書店が話題になろうとも、規模によって配本数が決まってしまう以上、全国チェーンに太刀打ちするのは至難となる。
また、書籍の問屋にあたる取次店が、書店が注文していない本を勝手に送る「見計らい本」というシステムも、小さな書店にとって悩みの種となっている。求めている本は足りず、求めていない本が届く……運営が厳しくなるのは当然だ。