「やだわ兄さんたら 私なんてまだお尻がひりひりしてるのに、ほんと現金」
「ミサオよ、おまえのあられのない姿を見てると自然とこうなっちまうんだ 今でもな」
兄は自分の膝を叩いて、ここへ来いと誘う。
普段の私は夫と子のある奥さんで、職場ではちょっとやり手の白衣の天使。
しかし、ここへ戻ってくるとただの妹に成り下がる。
兄にとっては私は幾つになろうが何になろうが、小さい妹なのだ。
私は呆れ顔で体に巻いたタオルを床に落とした。
「あっ、と 外にはもう蚊が飛んでるわね
蚊取り線香出してくるから、少し待ってて兄さん」
おわり