「あ、どうも リョウスケの友人で今回の運転手役のサダオといいます どうぞよろしく」
もう一人、不意に話しかけてきたカスミさんのお兄さんというこの人は
失礼ながら見た目の地味さや影の薄さが何か自分に通ずる感じの人だ。
「ん? 何か僕の顔についてるかい?」
「え… いえ、すいません タクヤといいますどうかよろしく… サダオさんは関西弁じゃないんですね」
「僕は東京の大学に通ってるからね あくまで東京の大学であって東京大学じゃないからね
で、今は帰省中 寄生虫じゃないからね いや寄生虫みたいなものか
全面的に親に学費生活費出してもらってるからね、ははは」
自分に似てるのはぱっと見の印象だけだと思った。