僕は窓から頭を下げ二人の会話だけ聞いていた。
ヒトミねえちゃんの漏らした小便の匂いがここまで漂ってくる。
父がぶつぶつとこぼす。
「こらヒトミ、おまえの漏らし癖は何時になっても治らんな まったく臭くてかなわんぞ
ああ、やばいな この畳は交換だ、レジャーシート持ってきたらよかった」
「だってぇ… がまんできひんもん…… ほんなことより… なんで約束破るん?
膣内…射精はあかん…言うたやん」
いまだアへ顔が元に戻らない感じのヒトミの声。
「あ…すごぉ 奥から濃い汁どろどろ溢れてくる
うちの子宮、卵巣までお父んの精子まみれやわ 今度こそ妊娠しちゃう」
「かまわん 産め おまえももうそんな歳だ そんでもってタクヤと結婚せい」
「…またその話かいな」
僕の背中に冷たいものが走り、今までの興奮が萎える。
またその話って一体なんだよ。
ヒトミねえちゃんは続柄従姉妹だから法的には問題なく僕と結婚できる。
まさか、父と姉が作った子を僕に育てさせるつもり…
おぞましい行為に耽る者たちの身の毛のよだつ企み。
いつの間にか激しい夕立が降っていた。