ある一人は、普段は大人しいけど周りからいじられればそれに乗るっていう面白い子だったな
ちょくちょく俺の近くにいたりしてなんか距離が近いな~と思ってた
その子は文化祭のクラス合唱で指揮者だったんだ
ある日、なぜか知らんが教室のベランダで歌の練習をすることになった
その時点では特に並ぶ順番とか決まってなかったから、みんなベランダに出て思い思いの位置についた
出遅れた俺は最前列の真ん中、ちょうど指揮者である彼女の真ん前に立つことになった
それは別によかったんだけど、その子は俺の前に立つとなぜか俺のことを見つめてくるんだ
ベランダだから狭くてその子との距離が近いし、なんも言わずに見てくるしでなんとなく居心地の悪くなった俺は立ち位置を変えたんだ
するとその子は泣き出してしまった
その時はなんで泣いたのかわかんなかったけど、たぶん俺のこと好きだったんだろうな