おれ太郎はわくわくしながら、決して開けてはならないと言われた玉手箱を開けました。すると、箱の中からもくもくと白い煙が噴き出しておれ太郎の全身を包み込んでしまいました。
その煙が晴れ、玉手箱を覗いてみましたが、中には何も入っていません。おれ太郎はがっかりしました。乙おまえら様に騙されたのでしょうか。
その時、がっかりするあまり急に性別などどうでもいいものだと感じるようになりました。
悲しみに暮れたおれ太郎は、また竜宮城に行きたくなりました。そう思うと、自然と体は海の方へ動きだし、そのままどんどん進んでいきます。
ついに足が底に着かないくらい深いところまで来ると、おれ太郎は泳ぎだしました。それは竜宮城に伝わる、あの犬かきのような泳ぎ方でした。
そのままおれ太郎は海底深くまで泳いでいき、竜宮城にたどりつきました。そして、そこでおまえらの一人として受け入れられ、乙おまえら様に仕えながら生涯楽しく暮らしましたとさ。
めでたしめでたし