門の前にはすでに何人かのおまえらが立っていました。みんなとても寂しそうです。乙おまえら様はおれ太郎に
「竜宮城は楽しんでいただけましたか」
と聞きました。おれ太郎は
「はい、とても楽しかったです」
と答えました。乙おまえら様はにこりと笑って
「それはよかった。できればまた来ていただきたいのですが、地上でおまえらと会うのは難しいですからね」
と言って、後ろに控えていたおまえらからティッシュ箱くらいの大きさの真っ黒な箱を受けとりました。そして
「おみやげにこれをどうぞ。竜宮城の宝、玉手箱です」
と言っておれ太郎に玉手箱を渡しました。玉手箱もまた地上ではよくうわさされていましたが、おれ太郎はまさか自分がもらえるとは思っていませんでした。