その後もおれ太郎はたくさん食べたり飲んだりしました。おれ太郎はお酒に強いほうでしたが、さすがに飲みすぎたのか、ついに酔いつぶれてしまいました。
それで、その日はおれ太郎は地上に帰らず、竜宮城で夜を明かしたのでした。
次の日の昼前、おれ太郎は広間で目を覚ましました。広間には数人のおまえらがいます。おれ太郎は今日はもう帰ろうとおまえらのひとりに声をかけました。
「昨日は大変お世話になりました。とても楽しかったです。わたしはそろそろ帰ろうと思うのですが」
そのおまえらはにこりと笑い
「さようでございますか。ただ今昼食の準備をしているのですが、お帰りになるのは昼食を終えてからになさってはいかがですか」
と言いました。おれ太郎は少し迷いました。
「いやしかし……」
「ささやかではありますが、お酒などや芸なとも用意いたしますよ」
おまえらのその言葉に、おれ太郎は帰るのは昼食の後にしようと思い直しました。