その時、ふと横を見たおれ太郎は、門の前で倒れているおまえらに気がつきました。おれ太郎は倒れているおまえらを指で差しながら
「彼は大丈夫なのですか」
と背の高いおまえらに聞きました。そのおまえらは
「大丈夫ですよ。気を失っているだけです」
と微笑みを浮かべながら甲高い声で答えました。そうかと思うと急に低い声になり
「ところで我々に『彼』という言葉を使うのはご遠慮頂けますか?我々は性別などというくだらないものには捕らわれない存在なのです」
とつけ加えました。一瞬だけ表情が鋭くなり、おれ太郎は怖いと思いましたが、おまえらはすぐさま柔らかい笑顔に戻り
「さあ、こちらへどうぞ」
と竜宮城の中を案内してくれました。禿げたおまえらと赤い顔のおまえらの二人は、倒れたおまえらを担いで後ろからついてきました。