おれ太郎がそう言うと、おまえらはぱっと顔を上げ、明るい笑顔をおれ太郎に向けてから
「ありがとうこざいます。それではわたしに乗ってください」
と言って四つん這いになりました。おれ太郎はおまえらに跨がると
「よろしくお願いします」
と言いました。おまえらの体はべたべたしていて座り心地があまりよくないのですが、おれ太郎は気にしていませんでした。
「それでは行きますよ」
おまえらはそう言うと、四つん這いのまま海に向かって進み始めました。ぐらぐらと左右に揺れるおまえらの上で、おれ太郎はこれから向かう竜宮城に思いを馳せました。