竜宮城のうわさはおれ太郎も聞いたことがありました。はるか海底に建つ竜宮城は、荘厳華麗、豪華絢爛にして地上のどんな建物よりも素晴らしい造りだといいます。
そんな竜宮城に住むおまえらたちもまた美しく、特に乙おまえら様の美しさは言葉では語ることができないほどだと聞いていました。
「竜宮城にわたしを連れていってくれるのですか?」
おれ太郎は聞きました。おまえらは
「はい。あなたさえよろしければお連れします」
と答えました。
特にすることもなく、同じような毎日ばかり過ごしていたおれ太郎は、ぜひ竜宮城に行ってみたいと思いました。
「いかがいたしますか」
あいかわらず上目遣いのまま、おまえらはおれ太郎に尋ねました。おれ太郎は
「ではお言葉に甘えさせてください。わたしも竜宮城に行ってみたいと思っていました」