「どうかしましたか?」
おまえらは顔を赤らめながら目を伏せ、両手を胸の前でもじもじさせていました。おれ太郎が黙ったままのおまえらを見ていると、おまえらはふいに上目遣いになって
「あの……。助けて頂いてありがとうございました。もしよろしければお礼をさせてください」
と言いました。
「お礼ですか?」
おれ太郎は尋ねました。おまえらは再び頷き
「実はわたしは、海の底にある竜宮城から来たのです。そこには乙おまえら様をはじめたくさんのおまえらが住んでいます。そこで今回のお礼として精一杯のおもてなしをさせてください」