昔々あるところに、浦島おれ太郎という名前の男がおりました。おれ太郎はいい年をして無職でしたが、彼にとって無職であることはなんら恥じることではありませんでした。ご近所の刺すように鋭い視線もなんのその、おれ太郎は毎日外を出歩いてふらふらしていました。
おれ太郎の両親は、息子が早く職に就いて自立することを願って、なんだかんだと小言を言うのですが、結局は毎月彼に生活費を渡していました。そうして毎日堂々と生活しているおれ太郎を見て、近所の人々は「手の施しようがない」「奴こそ無敵の無職だ」と囁き合っていました。
ある日、おれ太郎が海辺を歩いていると、太った中年男性が屈強な男たちに囲まれているのを見ました。その中年男性はおまえらというものでした。