ドタバタドタバタ
キャハハキャハハ
男(いや、もう部屋の中にいるのか?)
男(ふすまを開ける音が聞こえなかった)
男(まあいいや。起きないと)
だがいくら力を入れても、男の体はどこも動かなかった。それどころか、声を出すことすらできない。
男(なんだこれ……。どうなってんだ)
その時、部屋中を走り回っていた足音が、男の枕元で止まった。
男(なんだ?なにやってんだ?)
ぺたっ、と。男の頬に何かひんやりとしたものが触れた。男は驚いたが、それでも体は動かなかった。
キャハハキャハハ
ドタバタドタバタ
足音は遠ざかった。それとともに、男はまた眠りの世界へ導かれていった。
翌朝、男が目覚めると家の中はどこも変わっていなかった。
男(変だな……。確かに子どもの騒ぐ音が聞こえたんだが……)
男(ただの夢か?)
男(その割りには布団の感触とかほっぺた触られたのとか、リアルだったな)
男(なんだったんだ?)