男はすぐさま追いかけたが、幼女の姿は家の中のどこにもなかった。外へ出てもやはり幼女は見当たらない。
男(しまった……。もしかして山に行ったんだろうか)
男(探さないと)
男は必死に山の中を歩いた。
男「幼女ちゃーん!幼女ちゃーん!」
しかし幼女は一向に見つからない。山を歩き回っているうちに、辺りはすっかり暗くなってしまった。
男(これじゃあ俺ひとりでは無理だ。いったん帰って警察に連絡しよう。それに、そろそろ幼女ちゃんのお母さんも迎えに来ているはずだ)
男はいったん家に帰ることにした。
家は真っ暗だった。幼女の母親はまだ来ていないらしい。
男(急いで電話しないと)
そう思いながら玄関に入ると、見覚えのある靴が2足置いてあった。
男(なんだ?)
一瞬気を取られたものの、男は急いだ。居間の扉を開けて中には入る。
男(ん?誰かいる……?)
真っ暗な居間の中、目を凝らすと人がふたり立っているのが見えた。しかし、顔までは見えない。
男(取り合えず電気点けないと)パチッ
居間全体が明るくなる。そこにいたのは幼女と母親だった。