日々は何事もなく過ぎていった。金縛りは毎晩のように起こったが、男は大して気にしていなかった。
平日は役所で仕事をし、休日になると女の子と母親が来る。特に趣味を持たない男にとって、彼女たちの訪問はいい気分転換になった。
ある日、男はあることに気が付いた。それは、幼女が男の家とその周辺についてよく知っているということだった。どの部屋に何があるのか、あるいは山の中に祠があるのだが、その場所についても、男が教えていないのに幼女は知っていた。
気になった男は、そのことを幼女に聞いてみた。
男「幼女ちゃんはこの辺りのことをよく知ってるね。どうして?」
幼女「だって、このお家は私のお家だもん」
男「ああそっか」
男(今のはどういう意味だろう。この子はたまに不思議なことを言う)
男(単にうちが気に入ったってことかな)
男(それなら嬉しいけど)