prrrr prrrr ガチャ
「 イ マ カ ラ イ ク ヨ」
ボイスチェンジャーで歪められた声はもちろん非通知からだ。
電話の先で緊張している中学生の姿が浮かぶようだ。
喜ばせてやることはしない。仕事中だからな。即座に受話器を置く。直後。
ダバーッドゴガガーッバッ「なんだ!」爆発音とともに部屋の照明が一斉に消える。停電だ。
仕事をサボれる喜びに浮かれながら窓辺に寄り音の発生源を探す。倉庫に電車が凸していた。
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電凸が起きたのと同時刻、建物を挟み正反対の場所に一人の男がチャリから降りた。俺である。