水玉模様が最後に目にしたものだった。
意識が消える間際に模様の主が何か言ったのが聞こえた気がした。
2月半ばのよく晴れた朝のことだった。
どこにでもいるごく普通の高校生だったが、今日からはかわいそうな高校生だったと思い返されるだろう。
空から降ってきたパンツに首を折られてボクは即死した。
(おわり)
水玉模様が最後に目にしたものだった。
意識が消える間際に模様の主が何か言ったのが聞こえた気がした。
2月半ばのよく晴れた朝のことだった。
どこにでもいるごく普通の高校生だったが、今日からはかわいそうな高校生だったと思い返されるだろう。
空から降ってきたパンツに首を折られてボクは即死した。
(おわり)
(その後)
人を殺した。人を殺してしまった。
あと5分早く起きていれば。あのとき近道をしようなんて思わなければ。
人から注意されたことは何度もあった。
なんでもう少し真面目に聞いておかなかったんだろう。
垣根を飛び越える前に、下に何もないことを確認しておけばそれだけでこんなことは避けられたのに。
明日からどんな顔をして学校に行けばいいかわからない。私の人生もう終わりだ。
棺に収められた遺体を見下ろしながら、愚かなナナミが考えていたのは故人でも故人の家族でもなく自分のことだった。
あぁ神よ、彼女に更正の機会を与えたまえ!
(その後おわり)