店内は大幅に改装されていた
黒を基調としたシックな雰囲気の中に、温かみのある木目調のパネルが効果的に配置してあった
天井はあえて天井組を行わずに高さを出し、梁鉄骨や空調用配管がむき出しの解放感を演出してあった
店内のBGMはおなじみの軽妙な有線放送「WAVE C3」ではなく、ゆったりと落ち着いた曲が流れてた
子供のころ一緒によく遊んだ従妹が、久しぶりに会うとすっかり大人びた女性になっていた時のような
そんな寂しいような、どこか置いていかれたような奇妙な気持ちを抱えながら
店内に流れるオー・シャンゼリゼのジャズ・アレンジを背後に
私は何も買わずに店を出た