「此処に居るのでお気に召さなければ、」
とお上さんは云った、
「上等のを二三日のうちに取り寄せてあげましょう。
これでも上等の部ですが、お望みではどんなのでもありますから。」
彼はすっかりまごついてしまった。「これでよござんす、」
と答えながらも、自分の選んだのが一番悪いもののような気がしてきた。
尾が歪んでいたり、赤の工合が面白くなかったりした。
彼は苛々してきた。そしてなお二三度選み直した後に、それで諦めた。
「此処に居るのでお気に召さなければ、」
とお上さんは云った、
「上等のを二三日のうちに取り寄せてあげましょう。
これでも上等の部ですが、お望みではどんなのでもありますから。」
彼はすっかりまごついてしまった。「これでよござんす、」
と答えながらも、自分の選んだのが一番悪いもののような気がしてきた。
尾が歪んでいたり、赤の工合が面白くなかったりした。
彼は苛々してきた。そしてなお二三度選み直した後に、それで諦めた。