アリス「どうして、『アリス』なの?」
マーガレット「それはね、私が大好きなおとぎ話、その主人公の名前がアリスだから」
アリス「……どんなお話?」
マーガレット「そうね、どう話せば良いのかしら」
アリス「……」
マーガレット「まずはタイトルからかしらね。タイトルは……」
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鼻たれ「だから俺は言ってやったんだ!『お前みたいな親に産まれたことが、世界で一番不幸なことだ!』ってな」
ハゲ「……」
鼻たれ「どう?かっちょいいだろ?」
ハゲ「で?今ここにこうしている感想は?そのときの不幸度と今の不幸度どっちが高いの?」
鼻たれ「……」
ハゲ「そんなこと言わないで、素直にごめんって謝ってれば、今頃ママの膝でゆっくり眠れたのにね」
鼻たれ「うるせぇ!殺すぞ!」
ハゲ「……」
鼻たれ「……」
ハゲ「……寒い」
鼻たれ「……だな」
ハゲ「……」ソロソロ
鼻たれ「近寄んなハゲが移る」
ハゲ「……はぁ。もういい、寝る」
鼻たれ「おう、俺も寝るわ」
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アリス「……」クークー
マーガレット「でね、女王が言うの。『この子の首をはねておしまい!』……ってあれ?寝てるの?」
アリス「……」
マーガレット「……おやすみ。アリス」
鼻たれ「……」
マーガレット「……」
ガシャッ
部下「……」
ガキ共「!?」
部下「馬が限界だ。原因は荷物が重すぎるせいだ」
ガキ共「……」ビクビク
部下「……」
部下「おい、そいつと、そいつ」
アリス「……」
ハゲ「……」
部下「死んでるのか?」
マーガレット「生きてるわ!寝てるだけよ!」
部下「……そうか。悪いが降りてもらう」
マーガレット「……!?」
鼻たれ「おい!」
部下「……奴隷が俺に触れるな」
鼻たれ「……」
マーガレット「……」
部下「せめてもの情けだ。意識があるまま凍えるより、寝ながら凍え死んだほうが痛みは少ない」
マーガレット「ひどい……!」
部下「よっこらせっくすっと」グイッ
ハゲ「……」クークー
アリス「……」クークー
部下「……」ドサッ
マーガレット「……アリス」
鼻たれ「……ハゲ」
部下「さようならだ」