小一時間ほどもバギーで駆けると、やがて小さな村が見えてきた。
周りは堀と木の柵で囲われ、真ん中に大きな櫓が立っている。
ご飯時なのだろうか、家々の窓から白い煙がもくもくと、空に向かって伸びている。
「いらっしゃい。よく来たね、歓迎するよ」
アチャラさんが話してくれていたのか、村長と思しき老婆が私たちを迎えてくれる。
彼女の案内に従って私たちは村の入り口にバギーを停めた。
物珍しいのか、村人たちが何人かこちらを見ている。
「ふふふ、びっくりしているんだよ。車なんて見たの、あの子たちは初めてだからねぇ」
そう言うと、二カッと笑った村長のカチャンさん。
「でも、あんたたちだってびっくりしたろう? 何しろここは、あんたたちの言葉でいう"女の子"しかいない村なんだからね」