王様「さて、皆の衆。今回集まってもらったのはほかでもない」
王様「例年通り、『ウィクロスの儀式』が近づいておる。一応聞いておくがこの中でテスカトリポカ神のお告げを聞いた者は?」
部下共「……」
王様「じゃろうのう。ワシ選ばれても絶対に自己申告しないもん」
王様「まぁ毎年のことじゃ。民衆に聞いて回り、お告げを聞いた者を連れてくるのじゃ」
王様「見つからねばその辺の奴適当に連れてくればいいから。よろしく」
部下共「ハッ!」
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肝太郎「あー今日も適当にネカフェ行こ……」
ザワザワザワザワ
肝太郎「なんだうるせぇなぁ。今日なんか祭でもあったっけな」
部下「皆に聞く!この中でテスカトリポカ神のお告げを聞いた者は居るか!」
民衆「ザサワザワ」
肝太郎「……」
部下「おらぬか」
肝太郎「あ、俺……」
民衆「ザワッ!!」
部下「お前は……?」
肝太郎「肝太郎だよろしくな。昨日の夜、夢の中で『魂を捧げよ云々かんぬん』って言われたんだけど」
部下「……ぷっ」
肝太郎「……?」
部下「うひゃひひひひゎぴ!!お前みたいなキモオタが選ばれるわけねーだろバーカ!!ダクソやりすぎだハゲ」
肝太郎「やっぱそうなのかなぁ。俺の聞き間違いかなぁ」
部下「お前家族は?」
肝太郎「いない。身ひとつでここまで生きてきた」
部下「……ふむ」
部下「そうか、独り者なのか。ならば都合が良い」
部下「おい、これから王宮へ来てもらう。王様に真偽を確かめて頂く」
肝太郎「まじ?やべぇよ2年風呂入ってねぇよ」
部下「……」
肝太郎「そっちでファブリーズ貸してくれよ。さすがにこのままじゃ失礼だわ」
部下「……はぁ。いいだろう」
肝太郎「よしよし。おら、はやく案内しろや。こっちは腹も減ってんだいいもの食わせろよ」
部下「……」