怖い話貼ってけ ID:o9GIwGvN

155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:21:12.68 ID:o9GIwGvN

「見たのは鏡台と変な髪の毛みたいな…あと、ガラス割っちゃって…」
「他には!?見たのはそれだけか!?」
「あとは…何かよくわかんない言葉が書いてある紙…」
その一言で急に場が静まり返りました。と同時に、二階からものすごい悲鳴。
私の母が慌てて二階に上がり、数分後、母に抱えられて降りてきたのはD子のお母さんでした。
まともに見れなかったぐらい涙でくしゃくしゃでした。
「見たの…?D子は引き出しの中を見たの!?」
D子のお母さんが私達に詰め寄りそう問い掛けます。
「あんた達、鏡台の引き出しを開けて、中にあるものを見たか?」
「二階の鏡台の三段目の引き出しだ。どうなんだ?」
他の親達も問い詰めてきました。
「一段目と二段目は僕らも見ました…三段目は…D子だけです…」
言い終わった途端、D子のお母さんがものすごい力で私達の体を掴み、
「何で止めなかったの!?あんた達友達なんでしょう!?何で止めなかったのよ!?」と叫びだしたのです。
D子のお父さんや他の親達が必死で押さえ、「落ち着け!」「奥さんしっかりして!」となだめようとし、
しばらくしてやっと落ち着いたのか、D妹を連れてまた二階へ上がっていってしまいました。

そこでいったん場を引き上げ、私達四人はB君の家に移り、B君の両親から話を聞かされました。
「お前達が行った家な、最初から誰も住んじゃいない。
 あそこは、あの鏡台と髪の為だけに建てられた家なんだ。
 オレや他の親御さん達が子供の頃からあった。
 あの鏡台は実際に使われていたもの、髪の毛も本物だ。
 それから、お前達が見たっていう言葉。この言葉だな?」
そういってB君のお父さんは紙とペンを取り、『禁后』と書いて私達に見せました。
「うん…その言葉だよ」
私達が応えると、B君のお父さんはくしゃっと丸めたその紙をごみ箱に投げ捨て、そのまま話を続けました。
「これはな、あの髪の持ち主の名前だ。読み方は、知らないかぎりまず出てこないような読み方だ。
 お前達が知っていいのはこれだけだ。金輪際あの家の話はするな。近づくのもダメだ。わかったな?
 とりあえず今日は、みんなうちに泊まってゆっくり休め」
そう言って席を立とうとしたB君のお父さんに、B君は意を決したようにこう聞きました。
「D子はどうなったんだよ!?あいつは何であんな…」と言い終わらない内に、B君のお父さんが口を開きました。

156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:21:48.09 ID:o9GIwGvN

「あの子の事は忘れろ。もう二度と元には戻れないし、お前達とも二度と会えない。それに…」
B君のお父さんは少し悲しげな表情で続けました。
「お前達はあの子のお母さんから、この先一生恨まれ続ける。
 今回の件で誰かの責任を問う気はない。
 だが、さっきのお母さんの様子でわかるだろ?お前達はもうあの子に関わっちゃいけないんだ」
そう言って、B君のお父さんは部屋を出ていってしまった。
私達は何も考えられなかった。
その後どうやって過ごしたかもよくわからない。
本当に長い1日でした。

それからしばらくは普通に生活していました。
翌日から私の親もA達の親も一切この件に関する話はせず、D子がどうなったかもわかりません。
学校には一身上の都合となっていたようですが、一ヵ月程してどこかへ引っ越してしまったそうです。
また、あの日、私達以外の家にも連絡が行ったらしく、あの空き家に関する話は自然と減っていきました。
ガラス戸などにも厳重な対策が施され、中に入れなくなったとも聞いています。
私やA達はあれ以来一度もあの空き家に近づいておらず、D子の事もあってか疎遠になっていきました。
高校も別々でしたし、私も三人も町を出ていき、それからもう十年以上になります。

ここまで下手な長文に付き合ってくださったのに申し訳ないのですが、結局何もわからずじまいです。
ただ、最後に…
私が大学を卒業した頃ですが、D子のお母さんから私の母宛てに手紙がありました。
内容はどうしても教えてもらえなかったのですが、
その時の母の言葉が意味深だったのが、今でも引っ掛かっています。

「母親ってのは、最後まで子供の為に隠し持ってる選択があるのよ。
 もし、ああなってしまったのがあんただったとしたら、私もそれを選んでたと思うわ。
 それが間違った答えだとしてもね」


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