6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:43:27.71 ID:8Bp+h5fP0
東京で生まれ育った一人っ子の俺は、
ほぼ毎年夏休みを利用して1ヶ月程母方の祖父母家へ行っていた。
両親共働きの鍵っ子だったので、祖父母家に行くのはたいてい俺一人だったが、
初孫だった俺を祖父母はいつも笑顔で歓迎してくれた。
山あいにある小さな集落で、集落の北端は切り立った山になってて、
その山のすぐ下を県道が走ってる。
県道沿いに商店が数軒並んでて、その中に祖父母家があった。
山を背にすると猫の額程の平地があり、真ん中に川が流れてて、
川を渡って数分歩くとすぐ山になる。
山に挟まれた県道と川がしばらく坂を上っていくと、
険しい峠になっていて、この集落は峠までの道で最後の集落になってる。
この峠は名前も何だか不気味だったこともあって、
昔ながらの怪談話をよく大人たちに聞かされたものだった。
そんな寒村の小さな集落、全部合わせて50人も住んでないような場所だから、
遊び仲間になる子供も5~6人ぐらいしか居なかった。