怖い話貼ってけ #7

7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 11:10:26.57 ID:DiW1eZu/

647 :639:03/02/04 18:11
それでも、何とかAに近づきました。
「A!A!しっかりせえ!死んでまうぞ!」
すると、Aがこっちを振り向きました。
Aは虚ろな目で、あらぬ方向を見ていました。
そして、全く意味のわからない言葉で叫びました。
「*******!***!」
口が見たこともないくらい思いっきり開いていました。ホンキで下あごが胸に付くくらい。
舌が垂れ下がり、口の端が裂けて血が出ていました。
あれは完全にアゴが外れていたと思います。
そんな格好で、今度は俺の方に向かってきました。
「・・・****!***!」
それが限界でした。
俺はAも測量の道具も何もかも放り出して、無我夢中で山を下りました。
車の所まで戻ると、携帯の電波が届く所まで走って、会社と警察に電話しました。


648 :639:03/02/04 18:12
やがて捜索隊が山に入り、俺は事情聴取されました。
最初はあの女のことをどう説明したらよいのか悩みましたが、結局見たままのことを話しました。
警察は淡々と調書を取っていました。
ただ、『Aに女が何かを囁いていた』というところは、繰り返し質問されました。

翌々日、遺体が一つ見つかりました。
白い夏服に黒髪。
俺が見たあの女の特徴に一致していました。

俺は警察に呼ばれて、あの時の状況についてまた説明させられました。
その時に警察の人から、その遺体についていろいろと聞かされました。
女の身元はすぐにわかったそうです。
去年の夏に、何十キロも離れた町で行方不明になっていた女の人でした。
ただ、なぜあんな山の中に居たのかはわからない、と言うことでした。
俺はあの時のことはもう忘れたいと思っていたので、そんなことはどうでもエエ、と思って聞いていました。

けれど、一つ気になることがありました。
女の遺体を調べたところ、両眼に酷い損傷があったそうです。
俺は、Aのヤツそんなことをしたのか、と思いましたが
どうも違ったみたいで、その傷は随分古いものだったようです。
「目はぜんぜん見えんかったはずや」
警察の人はそう言いました。


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結局、Aの行方は今でもわかっていません。
残された家族のことを考えると、Aには生きていて欲しいとは思いますが、
あの時のことを思い出すと、正直なところ、もう俺はAに会いたくありません。

ただ、何となく嫌な予感がするので、先週、髪を切って坊主にしました。

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