そして、もう2・3分で到着、、、というところで、、、、通行止。工事中につき迂回せよ、、とのこと。
「ありゃぁ。よりにもよって、こういう時に工事しなくても、、、。」
茅野君は不平をいいましたが、こういう時にこそ、こういった障害が出てくるものなのです。
「コの字型の迂回路が書いてあるよ。注意して行こう。」
私は矢印のとおり、ハンドルを右に切りました。
順路に従って進むと、前方に交差点。迂回路を示した地図にあったとおり、左折。
その先をもう一度左折すれば、いずれ、もとの道と交差するはずです。
300mほど進むと、舗装が跡切れ、砂利道になりました。
「あれぇーー。やばいかな。」
私は警戒しました。
しかし、少し行くと、また舗装路に戻りました。
で、、、ほっとして前方を見ると、、、、、路肩に白い車が止っています。
嫌な感じがしたので、私はスピードを落とし徐行しました。
嫌な感じはさらに増しました。
「何か違うな、戻ろうか、、、。」
私がそう言うと、茅野君も同意しました。
道幅が狭いので、Uターン出来る場所を探すと、、、、。前方のその白い車の先は、少し広くなっているようです。
私はそのまま車をすすめ、白い車に4・5mの所まで近付きました。そして、ライトを上向きにして、、、車を照しだしました。廃車のようです。
フロントグラスが割れ、車体には蔦が絡んでいます。
そのとき、、、、背筋をぞーーっと冷たいものが走りました。
「これは!」
近付かない方が良いようです。私がブレーキを踏もうと思った瞬間、茅野君が、
「うわっ、ダメ! 止って! 戻ろっ!」
と叫びました。
茅野君も同じものを感じたようです。
「バックで戻るぞ!
そっちの路肩、見てて!」
私は、車を後退させ、そのまま砂利道を抜けました。
そして舗装路にもどると道幅も少し広がり、なんとかUターンすることが出来ました。
来た道を逆に戻ると、途中で別の迂回路を見つけました。未舗装なので、路地と勘違いし、さきほどは見逃していたようです。
道を確かめていると、通行止の方から、地元のものと思われる軽トラックがやってきました。そして、その道へ入って行きました。
「それ、ついて行くぞ。」
1分ほど、ついて走ると、元の道へぶつかり、まもなく馬場君宅が見えました。