尻男「ねぇお母さん。『お外』ってどうしてあんなに狭いの?」
金「んー?どうしたんだい急に」
尻男「僕ね、思ったんだ。鳥や虫は『お外のお外』からきてるんだよね」
金「……さぁねぇ」
尻男「住職のおじちゃんはどうしていつも僕らに食事をくれるの?」
金「……」
尻男「勉強してるとね、ちょっとずつわかってくるんだ。食事って、勝手にでてくるものじゃないよね?」
尻男「なんかね、変だなって。勉強してる場所と僕が生きてる場所は違うのかな……」
金「……お母さんもわかんないな」
尻男「なんで?お母さんは『お外のお外』に出たことないの?その着物だって、僕が着てる着物だって、どこから運ばれてくるの?」
金「……」
尻男「僕ね、もっと知りたい。『お外のお外』に出てみたい」
金「それは駄目!『お外のお外』には」
尻男「『お外のお外』には怖い生き物がいっぱいいるんだよね」
金「……そうよ」
尻男「じゃあどうして鳥や虫は怖くないんだろうね」
金「……やめなさい」
尻男「僕は鳥や虫を殺せるよ。だから鳥や虫が怖くない生き物なんて、僕も怖く」
金「やめなさいってば!」
尻男「……」
金「尻男は知る必要なんてないの……。お母さんの隣にいて、それだけでいいの……!」
尻男「……」
尻男「……そっか」
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金「それじゃ、そろそろ寝るよ」
尻男「……うん」
金「おやすみね、尻男」
尻男「おやすなさい」
尻男「……」
尻男「……お母さん?」
金「……」グー
尻男「寝たの?」
金「……」
尻男「そっか、寝たんだ」
尻男「……ごめんね、お母さん」バサッ