住職「金さん、お体に大事はありませんか?」
金「は、はいなんとか……。それより、私の子は……」
住職「大丈夫です。無事に産まれましたよ。今先生が連れてきますから」
先生「……」
オギャーオギャー!
金「あぁ私の子……。その顔をはやく見せておくれ」
金「……!?」
住職「……」
オギャーオギャー!
金「……この子が本当に、私の子なんでしょうか……?」
住職「ええ……。なぜそのような形で産まれてしまったか、私にも先生にもわかりません」
金「……」
住職「辛いことを言うようで心苦しくはありますが、きっとその子は『普通の子』とは違う生き方をせざるを得ない」
住職「今ならまだ、流産という形で村人たちに報告できます。ご判断はその子の産みの親である、金さんが下してください」
オギャーオギャー!
金「……」
住職「……では私共はこれで」
先生「……」
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結局その母親は、「私が産んだ命だから。子供に罪はない」と、女手一つでその子を育てるという判断をしたらしいわ。
住職と先生も快諾したんだって。
村人たちにはこう言った。
「赤ん坊は産まれて間もなく死んでしまった。だから当分、母親のことはそっとしておきなさい」
村で育てると確実にいじめられちゃうものね。
その子には、狭くとも母親の愛に満ちた幸せな世界に生きて欲しかった
金「おーい尻男(シリオ)?なにしてるんだい?」
尻男「んーとね、アナルごっこ!」
金「あなる……?なんだいそれ?」
尻男「僕もわかんない!」
金「そっかぁ……。私にはもっとわかんないなぁ……」
住職「尻男、そろそろ勉強しましょうね」
金「うん!僕勉強大好きだよ!」
住職「そうかそうか。良い子ですねぇ」
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住職がお寺の部屋を空き貸してくれたおかげで、最初は順調に育てられたらしいの。
先生も一緒に遊んだり、たくさん協力してあげた。
でも、やっぱり運命は残酷で。
その子が丁度七歳になったとき、事件が起きた━━