ーー家
ママ「ねぇガキどうしたの?話してくれないとわかんないよ……?」
パパ「そうだぞー。パパとママはガキの味方だから、何でも話してみ?」
ガキ「……」
ガキ「お風呂入る」
ママ「えっ?」
ガキ「お風呂入るッ!!」
ママ「わ、わかった……。ごめん、ちょっとよろしくね」
パパ「うん……。なぁガキ、遊園地でなんか嫌なことでもあったのか?」
ガキ「……」
パパ「うーんどうしたものか……」
パパ「パパが小さい頃な?ガキと同じくらいのとき、近所にとってもかわいい子がいてな?」
ガキ「……」
パパ「パパその子のこと好きで、告白したんだよ。そしたら何て言われたと思う?」
ガキ「……」
パパ「『えー、パパ君きもちわるーい』だってよ。あんときさ、俺すげぇ恥ずかしかったし、情けないなって思った」
パパ「家に帰って自分の部屋に塞ぎこんで。そしたら当然、俺のママとパパ……つまり、ガキのおばあちゃんとおじいちゃんが俺のこと心配して話しかけてくるんだよ」
パパ「『女の子に振られた!』なんて言えないから、俺ずーっと黙ってた。ガキが何も言わないのは、それと似たようなことなのか?」
ガキ(ぜんぜん違うよ……)
パパ「わかった。だったら何も言えないのは仕方ないな。もうパパもママも、何も聞かないから」
ガキ「……」コクッ
ママ「お風呂の準備、できたよ」
パパ「よーしガキ!今日はパパと愚痴大会しようぜ!いっぱい愚痴言ったほうの勝ちだからな!」
ガキ「一人で入る……」スタスタ
パパ「……そうか」
ママ「ガキ……大丈夫かな」
パパ「まぁ男にはああいう時間が必要なんだよ。辛いことを自分で解決して、少しずつ大人になってくもんだ」
ママ「そう……」