そうだねえ、カネが欲しくて考えるような悪さとしては、かなりみみっちい。
おそらく、これまでの所属の中で、こういうのが常態化している研究室があったのではないかと。 20年くらい前までは、研究室で自由に決済できるカネを作るのに、 カラバイトやカラ出張をするのは、どこの大学でも当たり前に行われていたものだよ。
例えば俺の場合なんかは、博士課程のころ、 海外の国際学会に出席するための旅費が20万くらい必要だった。 奨学金とバイトだけで学費と生活費をすべて賄っていたので、 20万とか簡単には用意できない。 今時の公費では学生の旅費なんかにまわす余分な予算も割り当てられていない。 見かねた教官は、自分の科研費で俺にバイトさせたことにして、その金で俺は学会に出た。
15年くらい前の話。 そのバイト自体は、データ処理か何かを名目とした、ほとんど実体のないものだったが、 一方で、うちの研究室では、研究室内の膨大な雑用を学生がタダ働きで やっていたわけで、これを不正と言われても、当時の俺にはピンと来なかっただろうな。