婚活でマッチングアプリを利用し、出会いを求める人が多い世の中。だが、まじめな交際をしていると信じたり、交際への発展を期待したものの、実は肉体関係だけが目的だったことを知り深く傷ついてしまう事例が後を絶たない。性被害の相談を受けるNPOを運営する弁護士によると、出会った当日にホテルに連れ込まれ、その後は音信普通といったケースが少なくないという。
まじめにお付き合いする相手を探して、マッチングアプリを利用した30歳代の独身女性の例。 アプリでつながった男性と実際に会って、お酒を飲みに行った。「まじめそうでいい人。好印象でした」。男性との会話もはずみ、楽しい時間だったという。
店を出て一緒に歩いていると、男性はこう言葉をかけてきた。 「酔ってるよね。ベンチで休もうよ」
ベンチに並んで座ると、男性との距離が近づいた。そして少し時間がたつと、「じゃあ、行こうか」。優しい口調でそう話した男性。視線の先にはホテルがあった。
「いつの間にかというか…断り切れなかったというか…。そのままホテルに行って関係を持ってしまったんです」(女性)
ただ、このときは男性との交際が始まったと信じた。そのまま「交際」を続け数カ月。とあるきっかけで、男性には他に恋人がいることが分かった。女性が問うと、男性は遊びでの関係だったとあっさり認めたという。
「ホテルでは、私が望まない過激な行為を何度もされました。でも恋愛感情がありましたし、本気の交際だったと信じていたのでがまんしてきました。それが、ただの性欲のはけ口だったなんて…。法律で罰を与えたい、絶対に許せないです」 女性はそう憤った。