今月8日の午前1時半(現地時間)ごろ、イタリア・ベネチアのある公園で韓国人観光客 7人が飲料やシャンパンを分け合って飲んでいた。
そこにホームレスとみられる外国人女性が近づいた。 女性はイタリア語で話しかけ、一行に手を差し出した。 Kさん(25)が英語で「申し訳ないが、お金はないから立ち去ってほしい」と答えた。 すると、女性は怒って、痴漢撃退用のスプレーを取り出し、一行に向かって噴射した。 スプレーが目に入ったKさんは悲鳴を上げ、Yさん(25・女)ら仲間にもスプレーがかかった。
騒ぎを受け、現地警察2人が出動した。 Yさんらは警察に英語で「女性がスプレーをまいたので調べてほしい」と告げた。 しかし、警察は痛みを訴えるKさんの様子を まね しながら笑ったという。
2人を偽警官だと思ったYさんは韓国にいる家族と映像通話し、助けを求めた。 しかし、警察はYさんから電話を押収し、こん棒で攻撃してきた。 午前2時10分ごろに警察官4人がさらに到着し、KさんとYさんに身分証の提示を求めた。 2人は「大使館に連絡するまで提示できない」と拒んだ。 午前2時半ごろに警察署に連行された2人は、取り調べを受けた後、午前6時半ごろに解放された。
ここまでがKさんら韓国人一行の主張だ。 KさんとYさんは公務執行妨害などの疑いで立件され、起訴相当で書類送検された。 これに対抗し、KさんとYさんは 「イタリア警察から人種差別と殴打を受けた」 と主張したことから、韓国外交部が真相調査に着手した。
ベネチア警察は韓国人観光客の主張が事実とは異なるとの立場だ。 外交部関係者は「ベネチア警察は韓国人が公務執行を妨害し、適法な手順い沿って物理的な力を行使したと主張している」と明かした。